4球1ウェイ
4球ポータブル・キット(2型、T型)
(キット・完成品)



はじめに
 2002年11月の最初の4球ポータブルのキット(1型)の 発表から1年を機に、2003年11月、回路を一新して「2型4球ポータブル・キット」 を企画しました。 (2003年11月頒布開始-2004年12月終了)
 このたび複同調の真空管用IFT(台湾製)を入手しましたので、 一般的な回路に変更し、使用真空管も 1R5、1T4、1U5、3S4とわが国でおなじみの組み合わせにしました。
 以前のもの同様、生産中止になっている部品を使用して、仮に透明なケースに収めていますが、 もっとおしゃれなケースに組替えて自分だけのポータブルを作るのも面白いと思います。 真空管ラジオが乾電池で鳴るというのは、なかなか愉快です。 ご心配なく、乾電池は意外と長持ちします。


回路の選定
2型4球ポータブル・キット
 ポータブルは製作の難易度が高いので、5球スーパー程度の経験のある方を想定しています。
 真空管に1R5、1T4、1U5、3S4を使用し、無駄のない日本製4球ポータブルの回路を基本に、 発振コイルにB電圧がかからない回路で一次側と二次側の耐圧の問題を解消しています。 性能的には他の4球ポータブルと同程度です。

T型4球ポータブル・キット
 上記の2型の回路のまま、真空管を25mA管に置き換えたモデルです。
 1R5T、1T4T、1S5T、3S4Tはフィラメント電流25mAながら1R5、1T4、1S5、3S4といった 50mA管と性能は同等の真空管で、タングスラム社製(ハンガリー共和国)です。 今回1T4Tは手に入りませんでしたので、1AJ4(オランダ、フィリップス 社製)を使用しました。性能は2型と同じです。


4球ポータブル・キットの回路図


2型4球ポータブル・キット部品表(T型)
記号
名称
詳細
状態
V1周波数変換管1R5 (1R5T)袋に同梱
V2中間周波増幅管1T4 (1AJ4)袋に同梱
V3検波・増幅管1U5 (1S5T)袋に同梱
V4出力管3S4 (3S4T)袋に同梱
C1セラミック・コンデンサ0.047uF/50V小部品シート
C2
C3
親子バリコン
11-295pF
9-126pF
付属トリマ 2-15pF
未使用品ですが残念ながらところどころ
サビが発生していましたので、 やすりで
サビを落としてあります。
羽根はアルミ製でサビはありません。
シャシに実装
C4セラミック・コンデンサ51pF/50V小部品シート
C5セラミック・コンデンサ0.01μF/500V小部品シート
C6セラミック・コンデンサ100pF/50V小部品シート
C7セラミック・コンデンサ100pF/50V小部品シート
C8フィルム・コンデンサ0.01μF/400V小部品シート
C9フィルム・コンデンサ0.01μF/400V小部品シート
C10フィルム・コンデンサ0.01μF/400V小部品シート
C11オイル・コンデンサ0.0033/400V PCBは使っていません。小部品シート
C12電解コンデンサ10μF/160V小部品シート
R1抵抗100kΩ 1/8W小部品シート
R2抵抗10kΩ 1/8W小部品シート
R3抵抗3MΩ 1/8W小部品シート
R4抵抗47kΩ 1/8W小部品シート
R5
S1、S2付
ボリューム100kΩ
A型カーブ、S1、S2付
袋に同梱
R6抵抗10MΩ 1/8W小部品シート
R7抵抗4.7MΩ 1/8W小部品シート
R8抵抗1MΩ 1/8W小部品シート
R9抵抗2MΩ 1/8W小部品シート
R10抵抗820Ω 1/2W小部品シート
L1アンテナ・コイル約300μH袋に同梱
T1発振コイル約180μH可変小部品シート
T2IFT455kHzシャシに実装
T3IFT455kHzシャシに実装
T4出力トランス一次側 7MΩ
二次側 4Ω
シャシに実装
SPスピーカー7cm、8Ω、2Wケースに実装
"A"単1x1個 別売り付属しません
"B"006Px8個 別売り付属しません
その他ケース IZUMIのCD7を使いました。
透明ポリプロピレン製です。
実装
その他A電池ボックス単1形 x1個用袋に同梱
その他B電池スナップ8個袋に同梱
その他つまみ2個袋に同梱
その他真空管ソケット7ピンmT用x4個シャシに実装
その他シャーシ穴あけ加工済みケースに仮装着
その他アンテナ・コイル・ホルダー1個袋に同梱
その他ラグ板4p x2個、6p x1個シャシに実装
その他ビス、ナット必要数実装
その他配線材付属しません付属しません
     * 「小部品シート」 小さな部品は部品表(小部品シート)に貼り付けてあります。
     * 断りもなく回路・使用部品を変更する場合があります。ご了承ください。

製作のポイント

 写真のとおり面倒なケースとシャシの加工はすべて済んでいます。 (2型、T型ができるまで参照。現在は参照できません。)

 配線にはエンパイア・チューブや熱収縮チューブを使用して、部品同士が 接触してショートなどを起こさないように十分配慮してください。 (2型、T型の組み立て方参照。現在は参照できません。)

 はんだ付けが済んだらトラッキング調整をしてケースに組み込みます。





キット一式。2型は50mA管、T型は25mA管を使用しており、 それぞれキットと完成品があります。 ケースの取っ手の色は、赤、青、緑の3色の中から選んでください。

最後に
 周波数目盛りを付けてでき上がりです。 透明なケースに合わせ、外側に使うビスやナットにも透明なものを使います。 丸1日あれば完成します。
 感度はAC式の並三以上5球スーパー未満といったところです。 鉄筋コンクリートの建物の中や電波の弱い地域では、受信が困難な場合があります。 出力は十分で音質も悪くないのですが、低音はこのケースでは限界があります。

2型/T型4球ポータブル・キット定格表
型式4球スーパーへテロダイン
受信周波数535kHz-1,605kHz
中間周波数455kHz
使用真空管1R51T41U53S4(2型)/ 1R5T1AJ41S5T3S4T(T型)
電気的出力約150mW
電源乾電池 A 1.5V(単1形アルカリ電池 x1)、 B 72V(9Vマンガン電池006P x8)
消費電力2型 A 1.5V-250mA B 72V-9.2mA(B 67.5V-8.5mA)
T型 A 1.5V-125mA B 72V-9.2mA(B 67.5V-8.5mA)
消費電流は球のバラツキにより10%程度増減することがあります。
スピーカー7cm ダイナミック
形状185 × 165 × 75mm
重量0.67kg (電池なし)、1.07kg (電池付)
発売年月2003年11月-2004年12月

 * 10年かけて秋葉原で集めた部品をもとに、 趣味の一環として作り始めたポータブル・キットでしたが、 予定数を販売しましたので終了とさせていただきます。 これまでにお買い上げくださったみなさま、どうもありがとうございました。
(2008年12月29日製作記事として一部改訂の上再掲載)
(2003年11月1日初稿)
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