5球2ウェイ
5球ロクタル管ポータブル
(自作)


写真左-前から、右-後ろから
電池管は左から1LN5、1LA6、1LN5、1LD5、3LF4

 ロクタル管 をどうしても使いたくて、このポータブルを作ってみました。
カセット・テープが20本入る大き目のケースを使い、 真空管のソケットは小型のものを使って球の間隔を詰めています。
 ケースも大きく低音もよく出ます。

 このラジオは RCAから発表された6球3ウェイの回路 をもとに、一部変更しています。 基本的にはゼニス(ジーニス)のトランス・オーシャニックと同じ回路です。
 好みで使用する球をmT管からロクタル管に、整流管117Z3をシリコン・ダイオードに、 フィラメント用の電圧降下抵抗の発熱をきらって小型トランスにしました。 AC電源関係は写真の黒いケースの中に収まっています。

 バリコンには3:1の減速ギア付の小型3連(10-337pF3連、トリマ14pF最大)、 アンテナ・コイルには大型のバーアンテナ・コイル(250-325μH可変)、 RFコイルにトランジスタ・ラジオ用のOSCコイル(243-525μH可変)、 本当の発振コイルとしてNo.88コイル(100-215μH可変)を組み合わせました。 1LA6の発振部のgmは550マイクロ・モーですので、 発振コイルとしてNo.88コイルを使用すると 電池電圧が下がったときに比較的早く発振が停止してしまいます。 そこで、リアクション・コイルとして0.1ミリ径のポリウレタン線を60回巻き、 元のコイルのプレート側は遊ばせて使用することにしました。

 ボリュームとスイッチを分けて、4回路3接点のロータリー・スイッチで OFF/AC/乾電池の切り替えをしています。スイッチ付ボリューム以上に使い勝手は良好です。

 配線はアメリカの3-way回路の定石通り、アース・ラインを設け シャシとは220kΩの抵抗と0.1μFのオイル・コンデンサで接続してありますので 感電の心配はありません。


5球ロクタル管型定格表
型式5球スーパーへテロダイン
受信周波数503kHz-1,688kHz(実測)
中間周波数455kHz
使用真空管1LN5、1LA6、1LN5、1LD5、3LF4
感度5球スーパー以上
電気的出力230mW(推定)
電源乾電池 A 7.2V(単3型ニッケル水素電池 x6) B 86.4V(21.6Vニッカド電池 x4)
100VAC(A 7.9VDC、B 97VDC)
消費電力A 7.9V-50mA B 97V-9.5mA
スピーカー10cm ダイナミック
形状270 x 230 x 95mm
重量1.61kg (電池なし)、2.47kg (電池付)
製作年月1998年11月


5球ロクタル管ポータブルの回路図

 アメリカのラジオ球は互換性を重視して設計されているようです。 このラジオでも2極5極管の1LD5 の代わりに2極3極管の1LH4を挿し替えて使用できます。
(2005年3月9日改造・改訂)
(2001年3月16日初稿)
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