単球レフレックス・スーパー
(自作)
写真左-前から、右-斜め上から
1球でスーパーが作れるか、といった技術的な問題に挑戦してみました。
複合管 6U8 を使い、3極部で周波数変換をし、5極部で中間周波増幅をします。
次にゲルマニウム・ダイオードで検波した信号を再び5極部で低周波増幅をして
スピーカーを鳴らします。整流はシリコン・ダイオードによるブリッジ整流です。
3極部の周波数変換回路は発振回路そのもので、結合コンデンサを
小さくしてみたところ、うまくいきました。
3極管を使用したコンバーターにはアンテナから電波を発射してしまうという
欠点がありますが、このラジオでは発振が弱く心配するほどのことはありませんでした。
5極部のレフレックス回路は発振しやすい、音質が悪いなどという悪い評判がありますが、
昔の日本製のテレビにも 6U8 の5極部をレフレックスで使用していた機種がありました。
なお、シールドケースはなくても大丈夫でした。
一応5極部にはAVCをかけてありますが、これがないと強い信号では歪んでしまいます。
音質は高音もよく出て問題はなさそうです。
実は強い電波では、ボリュームをいっぱいに絞ってもスピーカーから音が出ます。
これはブレークスルーと呼ばれるレフレックスの欠点のひとつで、
5極部が増幅管として働くと同時にプレート検波の働きもしているためです。
ボリュームはアンテナ回路に入れたほうがいいかもしれません。
部品は電源トランスに小型のものを使い、シャーシの内側に収めました。
コイルは5球スーパーのものを使いましたが、
バリコンの容量が 430pF のつもりが 340pF 程度だったようで、低い周波数はカバーできませんでした。
どうやら IFT はトランジスタ用のようです。
またしても糸掛けダイアルにしてみました。
さすがにスーパーだけのことはあり、ローカル局の分離は完璧です。
3m位のビニル線アンテナをつなげば、
ローカル局ならスピーカーを十分鳴らせます。意外と楽しいラジオです。
単球レフレックス・スーパー定格表
型式 | 単球レフレックス・スーパー |
受信周波数 | 571kHz-1,663kHz(実測) |
使用真空管 | 6U8 |
感度 | 4球ポータブル程度 |
電気的出力 | 300mW(推定) |
電源 | 100VAC |
消費電力 | - |
スピーカー | 10cm ダイナミック |
形状 | 200x160x165mm |
重量 | 1.25kg |
製作年月 | 2001年6月 |
単球スーパー 回路図
(2001年8月7日初稿)
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