TRIOのコイル

並四 (TRIO Technical Data Sheet No.1 1957年より転載)


最高の分離と感度
トリオ再生附検波コイル
規格表
受信周波数     535-1,605kHz
同調バリコン    350pF単バリコン
再生コンデンサ   最大容量50-70pF
インダクタンス    260μH
大きさ         25x50mm

 並四コイルを使用するラジオは、同調回路を一つしか持たないため、 このコイルの良し悪しでラジオ全体の性能が決まってしまいます。 このため特によく設計されたコイルを選ばなければなりません。 トリオ並四コイルは、特選されたA級のワイヤーを損失の少ないボビンに巻き、 完全な防湿処理をほどこしてありますので、長い期間にわたって高いQを保つことができ、 分離のよい、感度の高い、優秀なラジオを作ることができます。

 初めてラジオを作ろうとされる方は、どんな方式のものがよいか迷われることと思います。 このごろは、はじめから5球スーパーなどを手がける人も多くなりましたが、 鉱石式をやり、次に並3などから進んでいくのが順序として最もよいと思います。 並3球というのは、検波管と出力管それに整流管の、わずか3球を使用した、 真空管式としては最も簡単なもので、配線に誤りさえなければ必ず鳴り、 しかも感度も、分離も近距離の放送を聞く場合は充分実用になり、価格も安く、 一家に2台以上そなえるラジオとして好適なものです。


*HP作者コメント
 ローカル放送局用としては感度は充分ですが分離は十分とは言えません。
写真の箱2つは社名とロゴが異なります。 旧型名 LA-1。 1960年ころの値段は、45円。

 現在並四コイルのコピー商品が何種類か販売されていますが、 ボビンの色が褐色のもの(ベークライト)が熱にも強く使いやすいと思います。 なお1990年代に秋葉原で販売されていた直径60mmの並四コイルは、トリオの製品ではありません。

TRIOの歴史
1946年 12月(有)春日無線電機商会を長野県駒ヶ根市に設立。ブランド名はTRIO。
1950年 1月 春日無線工業(株)に社名変更。
1960年 1月 トリオ(株)に社名変更。
1980年 12月 ブランド名を KENWOOD に変更。
1986年 6月 (株)ケンウッドに社名変更。

(2005年9月15日TRIOの歴史追加)
(2001年8月7日初稿)
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