TRIOのコイル
KR-430
写真左 KR-430
430pF バリコン用
4バンドスーパー・コイルパック
規格表
受信周波数 550-1,600kHz
1.6-4.8MHz
4.8-14.5MHz
11-30MHz
中間周波数トランス 455kHz
狭帯域2段用が最適 (トリオT−11)
バリコン 430pF 3連トリマー無し
RF 6SK7、6SD7、6D6
MIX 6SA7、6W-C5、6AC7、6BE6
OSC 6SA7 又は、6W-C5、6BE6 3極接続
*HP作者コメント
1952年発売の 6R-4S 型受信機の発展型として
1954年に発売された 9R-4 用4バンド RF付コイルパック 9R-4SP が開発されました。
後継モデル 9R-4J (1955年)にも使用され、KR-430 としてコイルパック単体でも発売されました。
外箱は KR-4 用が流用されています。
名前の 430 は4バンド、30MHz までカバーするという意味。
1958年ころの値段は 3,780円、1968年ころは 4,500円でした。
市販の KR-430 には BFOコイル(BFO-A)が付属していました。
さらに細かい改良が加えられ、バンド切換ロータリースイッチの
パイロットランプ切り替え用を1段省略したコイルパックが、
9R-59 (1960年)、JR-60 (1962年)、JR-200 (1963年)、
9R-59D (1966年)、9R-59DS (1969年)などに継続して使用されました。
写真左 9R-59 / JR-200 用
*単体では市販されていないため、正式名称は不明
基本的に KR-430 と同じですが、9R-59、JR-200 用は
ロータリースイッチが1段少なく(パイロットランプ切換用を省略)、
固定金具と ANT コイルのトリマがありません。
他にもC、DバンドのOSCコイルのトリマーが、微調節のしやすいピストントリマーに変更され、
Aバンドの RF コイルの1次側に 50pFのコンデンサとDバンド高域での過発振緩和用に
発振グリッドに 33オームの直列抵抗が追加されました。
ANT コイルのトリマの代わりに受信機のパネル面に取り付けた 50pF のミゼット・バリコンで調整していました。
そのためバンド切換のたびにトラッキング調整が崩れて調整をやり直すことになります。
基になった KR-430 のA、B、Cバンドはトラッキング誤差が小さく設計されており、
常設アンテナを使う限り ANT コイルの微調整は不要ですから、ミゼット・バリコンの採用は甚だ(はなはだ)疑問。
この写真のコイルパックはリード線に接続先を示すタグが付いていることから、キット用だと思われます。
正式には市販されていないはずですが、大量にストックしていたある方から某店が買い受け、
1999年ころ秋葉原界隈で流通しました。
大抵は箱なしで、35,000円のびっくり値段が付いていました。
パディング・コンデンサ(PC)は 550-1,600kHz バンドが 200-600pF 半固定、
1.6-4.8MHz バンドが 1,250pF、4.8-14.5MHz バンドが4,000pF、11-30MHz バンドがなし、
となっています。
取付けには旧 JIS 規格のメートルネジ M3 を使用します。
KR-430 は7箇所、キット用は固定金具を使わないため6箇所固定します。
写真左 9R-59DS 用
*単体では市販されていないため、正式名称は不明
基本的に 9R-59 用と同じですが、取り付け穴は ISO 規格(1962年制定)に変更されています。
リード線にタグがないことからメーカーでの組み立て用のものと思われます。
コイルパック背中に配線を束ねるためのフックがあります。
33オームの抵抗が 68オームに変更されています。
1.6-4.8MHz バンドのパディング・コンデンサ(PC)が、なぜか 2,750pFに変更されていますが、
不適当であることは明らかです。
2004-2006年、ネットオークションで相当数流通しました。
写真左 9R-4、9R-4Jに使用されたアルプスB-81
スプレッド付大型2連バリコン。
通信型受信機ではダイヤルのバックラッシュを嫌ってゴム足を使用しないのが流儀です。
当然スピーカーは外付けです。
9R-59 からは、松下の中型バリコンとスプレッド用バリコンの組合せに変更されました。
(写真左)
菊水電波S-53(1953年)のGT管仕様に使われたコイルパックの未使用品。
トリオやゼンセンのコイルパックを使ったものもあったようです。
菊水製2セクション・バリコン(C32)、ダイヤルもありました。
9R-59 / JR-200 用(写真右)
(2005年12月15日加筆)
(2005年9月7日加筆)
(2005年8月20日加筆)
(2002年8月20日初稿)
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