TRIOのコイル

T-21   (TRIO Technical Data Sheet No.H81-124 1954年より転載)

通信機用2段増幅
μ同調・高選択度 IFT
規格表
中心周波数  455kHz
選択度     -60dB(±10kHz)
帯域幅     3kHz (-3dB)
インピーダンス 1=34kΩ
          2=34kΩ
          3=24kΩ
 (タップ使用の場合は上記の1/2になります)
同調容量     300pF
温度特性    -10℃から50℃ ±70Hz 以内
寸法       20×20×49mm


 T-21 型 IFT はミニアチュア管使用の超小型通信機用 IFT です。
 通信機においては明瞭度を害さない最小限度まで帯域を狭めて、 隣接混信に対する選択度を上げる必要があります。 また雑音出力は等価帯域幅に比例しますので、雑音を減少させるために、 特性曲線の帯域外の傾度をよくし、等価帯域幅を狭くしなければなりません。

 安定度は同調容量を大きくとればよくなります。 T-21 型では同調容量をできる限り大きくし、 合わせてタップダウンしてありますので一層安定です。

 温度特性は、同調容量に温度補償用を使用しているため -10℃ から 50℃ で ±70Hz しか ずれません。 良好な温度特性を望む SSB 受信機用として最適です。 ボビンはポリカーボネートを用いてありますので、コイルの耐湿性は極めて良好です。

 T-21 型 IFT は、6BD6、6BA6 など gm が2から4ミリ・モー程度の真空管に 適合するように設計されています。

*HP作者コメント
 これもトリオの代表的通信機用の IFT です。 1960年ころの値段は 590円、1968年ころの値段は 730円。

 ピンの番号の振り方がある時期から変更になりましたが、実際の位置は変わっていません。 IFT を底面から見た図を下に示します。 1、2、3の3本組みで、いずれもピンは5本出ています。 TRIO Technical Data Sheet No.H81-124 1954年 は改定されず、 ピン番号変更のお知らせが同梱されていました。

 6BD6、6BA6 など gm が2から4ミリモー程度の真空管に 使用する場合はタップ・ダウン端子(G/Tap down)を使い、G端子(G)には配線しません。

(2006年8月24日ピン接続図追加)
(2001年8月7日初稿)
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