TRIOのコイル

T-18     (TRIO Technical Data Sheet No.38 1954年より転載)

2段可変帯域スイッチ切替式IFT
規格表
中心周波数    455kHz
帯域幅(-3dB)  ±3kHz、±12kHz
インピーダンス    A=1.  62kΩ
               2.  35kΩ
             B=43kΩ
同調容量        150pF
切換スイッチ  2接点2回路(又は3回路)

 低周波増幅器の進歩にともない、ラジオ放送の高忠実度受信が要望されてまいりました。 トリオ T-18 型1段増幅用可変帯域 IFT は、この御要望にお応えする国際的製品であります。 その特性は広帯域に切換えたときの実用帯域幅(−3dBの幅)±12kHz という超広帯域 でありまして、放送に含まれる全サイドバンドを余すところなく通過せしめ、 高音部の冴えたすばらしい音質のスーパーができ上がります。

 ご存知のように広帯域で明快に受信できる地域はつよい電界に限られており、 遠距離受信では、ノイズや混信やビート妨害の影響をさけるために狭帯域受信が 必要であります。 T-18 を狭帯域に切換えて使用しますと 10kHz 離調における選択度は -26dB にもなり、 鋭い分離性を発揮いたします。 又狭帯域でローカル放送を受信してから、広帯域に切換えますと広い帯域の中心へ ピッタリ合わせることができます。 広狭切換による中心周波数のずれは補償コイルにより完全に補正されております。

 スイッチを使用せずE端子と1(狭)または2(広)端子を短絡して、 固定的に御自由な帯域で使用することもできます。 なお御使用上注意していただく点が2、3ございますから 下記の説明(省略)を御熟読の上製作におとりかかり下さい。

* HP作者コメント
 2段可変帯域の T-18 は、3段可変帯域の T-28 と外観はほぼ同じ。 2本目の B は二次側が非同調になっていて、Qダンプ用 250kΩ抵抗を内蔵しています。 6D6、6SK7、6BD6 が使用できます。

 後期のモデル(写真のもの)では AVC による同調周波数のズレを小さくするために、 1番目 IFT の2次側コイルにタップダウンが採用されました。 タップを使用すると 6dB 感度が下がります。 ピン接続は下図を参照。

(2015年4月17日参考配線図差し替え)
(2015年3月29日写真差し替え)
(2005年4月15日参考配線図追加)
(2003年3月19日初稿)
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