TRIOのコイル

KM-2 (TRIO Technical Data Sheet No.51 1954年より転載)


標準型2バンドコイルパック
規格表
受信周波数
Aバンド  535-1,605kHz
Bバンド  6-18MHz
バリコン 430pF 2連トリマー無し
ダイアル 統一規格品
変換管  6W-C5、6SA7、6BE6
中間周波数  455kHz


 スーパーを初めて作られる方、組み立て時間を節減したい人のために トリオ KM-2 型コイルパックをお贈りいたします。

 コイルパックは、スイッチ、コイル、トリマー、パッディングコンデンサー等を合理的に配置、 配線し調整を施したものでありまして、取り付けリードを数本接続するだけで、 よく受信できるように設計されておりますが、真空管の入力容量や、 配線の個人差によるずれを補正するために、ほんのわずかトリマーにより再調整していただけば、 最大の性能を発揮いたします。

お知らせ
中波用コイルのダスト・コアーについて
 トリオ・コイルパックの中波用発振コイルには、従来までダストコアーを 用いたものがございましたが、このコイルは取り付け位置の関係から、パワートランスの リーケージフラックスを浴びて、交流により導磁率の変化が起こり、 発振周波数が 50 又は 60Hz で変調され、原因不明のモジュレーションハム(変調交流音)の 発生することがございました。これを防止するために最近の製品からは、 中波用発振コイルのダストコアーを除去いたしました。 コイルのインダクタンスは極めて正確に校正されておりますから このコイルのインダクタンス調整は全く不要です。 説明書の図版は都合によりコアー入りのものを用いたものもございますが 以上の点を御諒承の上ご使用ください。
              トリオ株式会社技術部

*HP作者コメント
 535-1,605kHz、6-18MHz の2バンド・コイルキット、K-2 型の後継モデルです。 1956年ころの値段は 965円、 1960年ころの値段は、1,160円。
 中波専用の5球スーパーを作るより簡単に2バンドスーパーを作ることができます。 これも深めのシャーシを用意する必要があります。
 発振グリッド用の抵抗(20kΩ)とコンデサ(100pF マイカ)が付属しています。 一般に市販されていた抵抗やコンデンサの中には、高周波での特性が悪いものがあり、 短波帯で発振が起きないことがあったようです。

 コイルパックと箱の写真が異なるのがお判りでしょうか。 箱の写真のダストコアー入りのコイルは短波用発振コイルです。 時期的に古い表現の COILKIT とコイルパックが混用されています。
 お知らせの内容から察するに、KM-2 型コイルパックには、 中波用発振コイルにもダストコアーを 使用していた型もあったようですから、全部で3種類あったと推定されます。
 後継モデルの KC-2B 型では、ダストコアーは復活するものの、 パディング・コンデンサは固定になっています。
(2003年5月7日初稿)
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