TRIOのコイル

K-3A(写真上)/K-3B(写真下) 
RF無3バンドコイルキット
規格表
受信周波数    550-1,600kHz
          3.5-10MHz
          8-23MHz
中間周波数       455kHz
バリコン  430pF 、2連トリマー無し
ダイアル     3バンド用
シャーシー    トリオ S-6R
フォノ       切換スイッチ無(K-3A
          切換スイッチ付属(K-3B
3バンドスーパーは自作受信機としては最高級のものに属し高度の技術を要するものと されておりましたがトリオコイルキットを御使用になれば、あたかも高一ラジオを 作る程度の容易さで、性能のすばらしく高い3バンドスーパーを自作出来ます。 はじめてスーパーを作られる方は本キットの御使用により必ず腕に自信をもたれると思います。 また斯業(注:しぎょう 事業の文語口調)を営む方は作業能率が倍加することが可能です。

*HP作者コメント
 簡単に3バンドラジオを作ることができます。 コイルは OSCコイルも含め全て空芯ですから 周波数の微調整はできませんが (Dバンド 8-23MHz の発振コイルのみボビン内部の可変ループで微調整可能)、 当時はメーカー調整済みで無調整OKというのがうたい文句でした。 メーカーから別売りされていたシャシを使用すれば、 恐らくストレー容量も想定どおりに収まったことでしょう。 ただ、実際にはDバンドはトリマを再調整する必要があったようです。

 パイロットランプ・フォノ切替えスイッチ無の K-3A と、 パイロットランプ・フォノ切替えスイッチ付の K-3B がありました。 (切替えスイッチのツマミと反対側のシールドの向こう側に未配線のスイッチが隠れています。) K-3A は1952年ころのカタログからは姿を消しています。 K-3B の後期モデルでは短波2バンドの発振コイルがコア入りに変更されています。 1956年ころの K-3B の値段は 1,350円、1960年ころの値段は 1,620円。

 「電波科学」1951年11月号の春日次郎さんによる記事には、 2セクション・バリコンを使用する3バンド・ラジオが取り上げられています。 記事の中の写真には K-3B と同様の外観をもつトリオ3バンド・コイルキットが登場しますが、 その存在は確認できていません。 周波数は以下の通り。
Aバンド 535-1,605kHz
Bバンド 3-9MHz
Cバンド 6-18MHz
翌年4月に施行されることになる「日本CLD協会規格」をうけて、 この規格のコイルパックは消滅したものと考えます。
(2021年2月16日加筆)
(2011年7月21日加筆訂正)
(2009年4月25日写真追加)
(2004年8月24日初稿)
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