TRIOのコイル
KR-4
430pFバリコン用
4バンドスーパー・コイルキット
規格表
受信周波数 550-1,600kHz
1.5-4.4MHz
3.5-10MHz
8-23MHz
中間周波数トランス 455kHz
狭帯域2段用が最適 (トリオT−11)
バリコン 430pF 3連トリマー無し
RF 6SK7、6SD7、6D6
MIX 6SA7、6W-C5、6AC7、6BE6
OSC 6SA7又は、6W-C5、6BE6 3極接続
高性能コイルによって組み立てられた本キットはスーパーの難関である単一調整が
済んでおりますので指定の位置に取付けて、550kHz-23MHz を連続カバーする
4バンドスーパーが完成いたします。
本キットの御使用により、通信型受信機を自作される方々は高周波部分の苦労が一切解消し、
比較的容易な中間周波以下に就いてのみ考慮を払えばよいのであります。
このキットはセパレート方式になっておりますが、6SA7 又は 6W-C5 自励式と
することもできます。
*HP作者コメント
KR-4 は 1948年に発売された旧いコイルキット(コイルパック)です。
「無線と実験」1951年 7月号に春日無線工業(トリオ)の春日二郎さんによる、
このコイルキットを使用した通信型受信機の製作記事が掲載されています。
この記事には以下のような記載があります。
「本機は 535kc〜24Mc を連続カバーしています。
もし 30Mc までを受けたい場合はDバンドを 10〜30Mc のコイルに取り換えればよいのです。
しかし 10〜30Mc にすると、コイルのインピーダンスが低くなるため 8〜24Mc に比べて、
ゲインはガックリ落ちてしまうので、なるべくは 10 メーターバンド(28Mc)は、
この受信機を親セットにして、別にコンバーターをつくった方がよいと思います。
バンドは、A;535-1,605kc、B;1.5-4.5Mc、C;3.5-10.5Mc、D;8-24Mc となっております。」
(注:各バンドの周波数の上限は、トリマの調整次第で多少の変更は可能です。)
電波の単位はかつて「kc」「Mc」が使われていました。
日本では 1972年に改正計量法の施行により「kHz」「MHz」に変更されることが決まっていたため、
それに先駆けて 1960年代後半からラジオ関連雑誌では「kHz」「MHz」を使用するようになりました。
1952年発行の雑誌 「電波科学臨時増刊 DXとアマチュア送受信機」 に春日無線工業(トリオ)の春日伸一さんによる、
このコイルキットを使用した通信型受信機の製作記事が掲載されています。
1954年に発売されることになる通信型受信機 9R-4 の試作品とおぼしき姿かたちをしており、
真空管はすべてGT管を使用しています。
KR-4 の最初期モデルは全てのコイルが空芯、OSCコイルのA、Bバンド PC が可変でした。
次に上の写真のように全バンドのOSCコイルがコア入り、Bバンド PC が固定となり、
トラッキング調整がより円滑に行えるようになりました。
一時期中波帯のモジュレーションハムの原因のひとつに、コア入り発振コイルが挙げられたため、
対策のためAバンドの OSCコイルが空芯となりました。
最終モデルでは、Aバンドコイルがすべて空芯、B、C、Dバンドコイルがすべてコア入りとなり、
細かなトラッキングが可能になりました。
その後、30MHz までカバーする 9R-4 用の KR-430 に4バンドコイルパックの
座を明け渡し、カタログからは消滅したものと考えます。
1960年ころの値段は、3,360円。
BFOコイル(BFO-A)がコイルキットに付属していました。
(2019年3月3日加筆)
(2009年4月7日写真差替え)
(2008年1月10日改訂)
(2007年12月17日改訂)
(2005年7月4日初稿)
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