TRIOのコイル
KP-3 (TRIO Technical Data Sheet No.52 1954年7月10日発行より転載)
(写真左)
3バンド・プリセレクター・コイルキット
規格表
周波数 1.3.5-7.5MHz
2.7.5-15MHz
3.15-30MHz
使用真空管 1段目 6BA6
2段目 6BA6
180pF 2連バリコン
(2セクションバリコンを利用することもできる)
(以下は、SIGNAMAX の解説)
トリオ SIGNAMAX は、プリセレクター(pre-selector)及び
プリアンプリファイアー(pre-amplifier)としての性能を兼ね備え、あなたの受信機を、
高級通信型受信機に負けない性能に引き上げるためのものです。
RF無しのスーパーで一番苦になるイメージも、高い周波数における感度低下も、
本機の併用により、たちどころに解消いたします。
しかも製作は並四セットよりも容易で調整も簡単、わずかな部品を使用して、
よくもこれほどの性能が得られるものであると驚くほどです。
◇本機の特長と致しましては◇
1.mT 管を極めて合理的に利用し、安定な性能を発揮している。
2.3.5-30MHz を3バンドで連続カバー。
3.180pF の微動2連バリコンと周波数直読のダイヤルの採用により、同調選局は極めて容易。
4.ゲインコントロール及び ON-OFF スイッチにより、微弱な電波も、
強力なローカル局の電波も、気持ちよく楽に受信可能。
その他、本機を上手に御使用になれば、今までどうしても受信できなかった放送でも、
又思いがけないDXのアマチュア局でも、物凄い強力さで、あなたの耳を楽しませることでしょう。
DX 受信を志す方も、最初から RF1段あるいは2段といった高級なものを
お造りになるよりも、まず RF無しの 5球スーパーを組立て、これを十分調整の上で、
SIGNAMAX を併用されれば、単一調整の苦労もなく、簡単に RF2段の性能が得られ、
DX 受信の希望も容易に達せられる訳です。
また、商業局でも、少なからずイメージや、セット・ノイズに悩まされて居る方が
あるようですが、その様な場合には是非本機をお試し下さい。
通信能率は、一段と向上致します。
本機の電源は、親受信機から取る様になっておりますが、御希望によっては
電源自蔵の完成品もございます。
本機に使用されているコイルキット KP-3 のみも分売いたします。
SM-1 回路図
*HP作者コメント
1954年発売の KP-3 は 3バンド・プリセレクター、シグナマックス
(SM-1)用コイルパックをキット販売したものです。
KP-3 の P は Pre-selector、Pre-amplifier の意味なのでしょう。
内容は KR-42C のB、C、Dバンドの
ANTコイル、RFコイル部分だけを抜き出したような構成です。
上の図は SM-1 の回路図をトレースしたものです。
素人にも扱いやすいように、6BA6 をかなり控えめな動作で使っています。
上の説明では RF2段といっていますが、2段目はカソードフォロア動作で
増幅率は1以下となります。
バッファーとインピーダンス変換が目的です。
1960年ころの値段は 1,700円。
(2008年2月27日初稿)
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