TRIOのコイル

KC-2SP(仮称)

(推定)
民放用2バンドコイルキット
規格表
受信周波数
Aバンド  535-1,605kHz
Bバンド  3.5-10MHz
バリコン 430pF 2連トリマー無し
変換管  6A7、6K8、1R5、1AB6
中間周波数  455kHz

*HP作者コメント
 見たことのないコイルパックを手に入れました。 見覚えのある ANTコイルとパディング・コンデンサから RF無の2バンドコイルパックに間違いありませんが、 発振コイルにはリアクションコイルが巻いてあり、反結合型発振回路用になっています。 従って通常の、6W-C56BE6 用コイルパックとは別物です。
 発振コイルを発振させてみた結果、バンドは 535-1,605kHz と 3.5-10MHz の2バンドで、 2接点のロータリースイッチが他のコイルパックと異なり 90度ひねった位置に取り付けてあります。 コイルパック KC-2 とは周波数が同じで大きさも似ていることから、ここでは仮に KC-2SP と 呼ぶことにします。

 短波の周波数帯から、NSB(ラジオたんぱ:現ラジオ NIKKEI)が開業した 1954年前後の試作品 あるいは特注品とすれば、当時盛んだったポータブル用として変換管には 1R51AB6 を想定していた可能性があります。 当時の雑誌に電池管 1AB6 を使った3バンド5球スーパーの記事があり、 KR-3 にリアクションコイルを巻いた特注のコイルパック KR-3SP と特注 IFT T-20SP が使われていました。 KR-3SPKC-2SP の仕様を比べると、535-1,605kHzと3.5-10MHzの2バンドが共通です。 ただし、KR-3SP の短波帯の発振コイルはコア入りでした。

 短波帯の発振コイルが空芯だった時代のものとすれば、やや遡って(さかのぼって) 6A7 用、 あるいは 6K8 (わが国では製造されず、アメリカからの輸入あるいは米軍放出品のみでしたが、 当時の雑誌の製作記事にはたびたび取り上げられました。)用である可能性も否定できません。
 しかし 6A76K81R51AB6 のいずれの球を想定していたとしても、 互いに流用は可能だろうと思います。
(2009年4月25日初稿)
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