ゼンセンのコイル
ゼンセン(全線電気株式会社、横浜市鶴見区:旧タマヤラジオ)は、トリオやスターほど知名度はありませんが、
品揃えは豊富で2バンドから5バンドまでのコイルパックを発売していました。
ラジオ技術誌1950年1月号の広告を見ると、4バンド高1中2受信機シャーシ・キット(9-13球用)の
販売までしていたようです。
6球RF付3バンド用コイル・キット Type 36BC
周波数 A 535kHz-1,605kHz
B 3.5MHz-10MHz
C 8MHz-23MHz
変換管 6W-C5 6SA7
バリコン、ダイヤル CLD規格品
CLD規格以前の4バンド高1中2受信機シャーシ・キットの広告では、
周波数 535kHz-1,600kHz
1.4MHz-4.5MHz
3.6MHz-12MHz
8MHz-25MHz
というように、独自のバンドプランで販売していました。
写真はコア入りOSCコイル OW (当時83円!)
カソードコイル式、コイルの分布容量は 2.6pF。
一般ユーザー向けにはANTコイル(AW)、RFコイル(RW)、
OSCコイル(OW)をそれぞれ単独で販売していました。
さらにループコイル(L-1、L-2)も用意してあり、自由な組み合わせが可能でした。
3バンドコイルRF付 Type 3BR
A:550-1600kHz
B:3.5-10MHz
C:6-18MHz
CLD規格が登場することから、1952年以降のものだとわかります。
写真上 μ同調IFT C3、C4、C5 1953年ころの値段は 640円。
ゼンセンのμ同調IFT(タイト・ベース)には、次の7種類がありました。
C1 一段用前段
C2 一段用後段
C3 二段用前段
C4 二段用中段
C5 二段用後段
C7 可変選択度
C8 中間タップ付
目的に合わせて次のようなセットを販売していました。
標準型 (一段増幅用) C1、C2
音質本位(二段増幅用) C3、C4、C5 帯域幅±6kHz 選択度±10kHzで30dB
高安定度(二段増幅用) C8、C8、C8
通信型 (二段増幅用) C7、C7、C8
他にも次のようなIFTがありました。
C同調 (一段増幅用) A1、A2
小型μ同調(一段増幅用) B1、B2
(同調容量150pF、インピーダンスA:50kΩ、B:40kΩ)
μ同調 K1、K2 (C1、C2をモールド・ベースにした廉価版)
1953年ころの値段は 260円。
5球スーパー・コイル・キット用(単独でも発売された) T1、T2
ポータブル用 S1、S2
4球スーパー用 K6
ゼンセンではIFTには配線分の8pFの浮遊容量をあらかじめ見込んで調整してありました。
写真左
μ同調のC1、C2です。
4バンド5球スーパーのIFTに使用しました。
(2005年1月6日追加)
(2004年7月15日初稿)
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