STARのコイル

2バンド・コイルパック PR−2L型  (STAR RADIO & TV COIL IFT. DATA SHEET No.S79 1955年3月1日より転載)

受信周波数帯   BCバンド 535-1605kHz
               SWバンド 3.5-10MHz
インダクタンス      BCバンド 205μH
               SWバンド 4.75μH
パッディング・コンデンサー、トリマ・コンデンサーは使用状態で調整済み
適合中間周波数          455kHz





スター・コイルパック PR−2L

 我が国にも、いよいよ短波商業放送局が開局しましたので、家庭用のラジオ受信機も、 商業短波が受信出来るようにすることが、必要になって参りました。 スター・コイルパック、PR−2L型は、この要求を完全に満たすことの出来るものでありまして、 商業短波放送局の周波数、3.925MHz、6.055MHz 及び、9.6MHz(HP作者注:正確には 9.595MHz)を、 その時の電波伝搬状態に応じて、常に最高のコンディションで、 ダイヤル目盛りの受け易い箇所で受信することが出来、 この外に、3.5MHz、7MHz のアマチュア・バンド及び、4MHz、8MHz の標準電波、 また短波放送帯の 31m、42m、50m、80m の各バンドが受信できるものであります。
 なお本コイル・パックは、バンド・スイッチに必要な部品を全部取付け、配線の上、 使用状態で調整済みのものでありまして、当社のシャシー・フレーム、5R2は勿論のこと、 一般市販のシャシーにも附属の取付金具を利用して、簡単に取付けることができ、 色別のリード線をそれぞれ規定の個所に接続するだけで、よく受信ができますが、 さらに配線で生ずる浮遊容量の相違、使用真空管の電極容量の相違等を補正するために、 トリマをわずか調整して戴けば、それだけで充分な性能が発揮出来るように考慮されて居ります。

 且つSWバンドの発振回路には、独特の方法を採用いたしまして、常に良好なコンバージョン・ゲインが 得られるようにしてありますので、動作は非常に安定であります。

 IFT …短波帯も放送帯も、能率よく受信するために、A3B3型、A2B2型、 A2SB2S型等を御使用下さい。
 バリコン…2連、最大容量430pF、トリマ無し
*HP作者コメント
 NSB(Nihon Short-wave Broadcasting co, ltd:株式会社日経ラジオ社 愛称は「ラジオたんぱ」) が 1954年8月27日に開局しました。 当初は 3.925MHz と 6.055MHz の2波放送でしたが、翌年6月15日には 9.595MHz が追加されます (放送プログラムは3波とも同一)。

 スターはかねてより NSB 開局を見込んで SW バンドを 3MHz から 8MHz と設定した 2バンド・コイルパック PR−2B型を発売していましたが、 9.595MHz の追加を受けて 1955年にこの2バンド・コイルパック PR−2L型 へとモデルチェンジを余儀なくされました。

 左の写真はスター・コイルパック PR−2型で、6-18MHz の SW バンドと BC バンド の旧来の標準 2 バンド RF なしのコイルパックです。 PR−2L型はPR−2型と似ていますが、 高さが 55mm から 45mm へと低くなり、流行の兆しのあった浅いシャシに対応しています。 また従来コイルパック手前に ANT コイル、向こう側に OSC コイルだった位置関係を前後反対にして、 トリオと同じ並びになりました。

 NSB は 2004年4月1日から社名を株式会社日経ラジオ社  NIKKEI RADIO BROADCASTING CORPORATION へと変更、愛称も「ラジオNIKKEI」となりました。

 4MHz、8MHz の標準電波局は 1940年1月30日運用開始、2001年3月31日に廃止されました。 (NICT 参照)
(2016年5月31日初稿)
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