湯本さんの作品
電池管5球スーパー
(自作)
写真は湯本進さんが作った「電池管5球スーパー」です。
外観がとびっきり洒落ていますので、ここにご紹介します。
あたかも江戸末期か明治初めの道具であるかのような、不思議な風情があります。
高級天井板に使う杉の木目の綺麗な薄板でできたケースに、
扇を広げた形のダイアルの目盛り、木材削りだしのつまみ、ひょうたんと杯の飾り、
障子か、はたまた格子戸を模したスピーカーグリル、と粋なつくりです。
回路は中間周波増幅を2段として、トランジスタ用を組み合わせた独自のIFT
(下図参照)の使用で音質と選択度を両立しています。
また、一般に簡略化のために音声検波と AVC の回路を兼用しますが、
2極管検波の負荷抵抗が直流と交流で異なることによるクリッピング歪みは避けられません。
そこで、このラジオではゲルマニウム・ダイオードによる音声検波回路を別に設けて、
音質の向上を図っています。
そのほか、普通はバイアス電圧として無駄に消費される電力で、
発光ダイオードによるダイアルライトを点灯しています。
部品にはトランジスタ用のバーアンテナ、OSCコイル、
を改造したものを2連ポリバリコンと組み合わせています。
出力トランスも自作で、これらの部品の詳細は下図を参照してください。
A電池には UM-2 型のニッケル水素電池を2本、B電池には 006P 型ニッケル水素電池を14本
使用するという贅沢なものです。
ケースの設計に1週間、製作に1週間を費やしたという力作は、
アイディアとセンスにあふれた素晴らしい仕上りになったようです。
なお、本文は HP 作者によるものですが、
写真、回路図、構造図はいずれも湯本さん提供のものです。
湯本さんへのメールは まで。
電池管5球スーパー 回路図
(2003年4月19日)
Reset