バイブレーター
バイブレーター 写真左から、
Taiko (TAIKO ELECTRIC WORKS CO., LTD.) の 6SD、6V、115Hz、1965年日本製
NISSIN (NISSIN DENPA CO., LTD.) の 6TS-1、6V、5A、115Hz、シンクロ型、1967年日本製
NISSIN の 6Z-2A、6V、7A、60Hz、ノン・シンクロ型、1969年日本製
NISSIN の 12T-2B、12V、5.5A、115Hz、ノン・シンクロ型、1970年日本製、
次も同じ
NISSIN の 24S-2、24V、6A、50Hz、シンクロ型、1967年日本製
かつてアメリカでは真空管のヒーター電圧は2.5Vが標準でしたが、
1931年ころから自動車用と称する 6.3V のヒーターを持つ真空管が登場します。
そのころの自動車のバッテリーは公称 6Vのもので、
アイドリング状態で 6V 程度、エンジンをふかすと 7V 程度の電圧でした。
しかし、いわゆるB電源には当然 250V 程度の電圧が必要でした。
当時コンバーターと呼ばれた回転変流器は、
直流モーターで高電圧を発生する発電機を回す方式で、大きくて重いのが難点でした。
そこで、ラジオや拡声器用の小型の機器のB電源としてバイブレーターを使った
装置が広く使われるようになりました。
原理は自動車の点火装置と似ています。
バイブレーター ( vibrator ) と呼ばれるブザーにリレーの接点が付いたような装置で、
直流のプラス、マイナスを交互に切り替えて擬似的な交流をつくり、
専用のトランスで希望の電圧に昇圧し、
さらに整流管と平滑回路を通して高圧の直流を得るのです。
その後の自動車の変遷につれて、6V用、12V用、24V用などとバイブレーターも多様化します
(乗用車の12V電装の始まりは、アメリカでは1953年ころ、わが国では1955年ころ)。
バイブレーターのプラス、マイナスの切り替えに同期(シンクロ)させて2次側の高圧も
切り替えると、整流管を使用せずに整流された電圧が得られます。
このようなバイブレーターをシンクロ型、そうでないものをインタラプター型、
またはノン・シンクロ型といいます。
バイブレーターの接点は高速で大電流をスイッチングするためトラブルも多く、
すぐに取り替えられるように ST管と同じ6本足のソケットに挿して使用します。
シンクロ型でも、シンクロしなくなったときのために整流管を使うこともあったようです。
SOUND(藤野電機製作所)のバイブコンバーター・トランスキット
同期整流型 BL 280
写真左から、パワートランス(形状は一般的な伏型、横にして撮影)、
チョーク、フィルター L1、L3、L2 の5点組
トランス1次側 6V-0V-6V、2次側 280V-250V-0V-250V-280V、80mA
6BQ5 P.P、6CA7 S 用
NISSIN の 6TS-1 は組合せ適合品の中のひとつです。
写真上 自動車ラジオ用整流管
84/6Z4、84/6Z4、6Z5、6X5、
6X5-G、6X5-GT、6AX5-GT、6X4、6V4、6CA4、
セレンも使用されました。
寿命は一説によると、約 2,500時間。
トランスメーカーではノンシンクロ型は 60Hz、シンクロ型は 115Hz を推奨していました。
千葉の西口様から
日進バイブレーター製品一覧(pdfファイル 113kB)をいただきました。
ありがとうございます。
(2015年1月28日pdfファイル追加)
(2005年7月4日一部削除)
(2004年11月24日加筆)
(2003年4月9日初稿)
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