電池

A電池
左 単1アルカリ電池 x2
中 単3型ニッケル水素電池 x4 (約5年で液漏れしました。)
右 単3型ニッケル水素電池 x6
B電池
左 BL-145B (67.5V) 生産中止(サンヨー PR−2 型に使用)
右 BL-045 (67.5V) 生産中止(小型モデルに使用)

アメリカの 67.5V のB電池は BL-145B をたてに2つ重ねたような BL-145 が多く、 わが国の 67.5V のB電池は BL-145 の横幅を半分にしたような 日本独自の BL-M145 がほとんどでした。
B電池 BL-M145 (67.5V) 生産中止のため代替品
左から順にマンガン電池 9V x8
ニッケル・カドミウム電池 8.4V x8
ニッケル水素電池 9V x8
ニッケル・カドミウム電池 21.6V x4(満充電では 100V に達します。)

 わが国では20世紀の終わりころまで、B電池用の積層乾電池をノーベルや 富士通ブランドで富士電気化学(現在の FDK )が生産していました。 官公庁で積層乾電池を使った計測器を使っていたため、細々と作っている、 と電池屋さんから聞いたことがあります。 現在は生産していません。

ポータブル用のB電池(記憶がちょっと怪しいのですが。)
型番電圧大きさスナップコメント
BL-14567.5V大型大型 アメリカの RCA-Victor PB10 などそのころのラジオはたいてい、
この電池を使っていました。
1998年ころ、1,600円で買った記憶があります。
BL-M14567.5V中型中型 BL-145 を半分の細さにしたような電池で、わが国の3ウェイの
ポータブルはたいていこの電池を使っていました。
日本独自の規格で、ずっとずっと昔、生産中止になっています。
BL-145B67.5V中型大型 BL-145 の高さを半分にしたような大きさ。
サンヨーの一部機種に使用されていました。
1998年ころ、1,600円だったと思います。
BL-04567.5V小型小型 006P を3回り大きくしたような小型細身の電池。
トランジスタ・ラジオくらいの小型の電池専用機種で使用していました。
1990年ころ 1,200円だったと思います。
BL-16090V大型大型 90V であること以外は BL-145 と同じ。
BL-03045V小型小型 006P を長くしたような細い電池。
型番の下2桁はセルの数。1.5V をかけたものが公称電圧。

 さて、電池の寿命ですが、興味があったのでテストしたことがあります。 1990年、一番大型の電池 BL-145 について計測したデータが下の表です。
 電池代は1時間 104円に付きます!  BL-045、BL-145B、BL-M145 の寿命はさらに短かったはずです。
 A電池の単1については、雑誌「ラジオ技術」1949年4月号に 「5時間も持たない」という記述があります。

BL-145の電池寿命 67.5V-11mA 消費のラジオの連続使用
時間電圧(V)
075.0
0.571.5
170.2
269.5
368.2
468.1
567.9
667.6
767.4
866.9
966.4
1065.9
1165.2
1264.0
1362.9
1455.9
14.544.8
1534.8
15.531.2

 現在でもごく一部の積層乾電池は外国からの通信販売で購入も可能ですが、大変高価です。
 そこで割り切って、市販の 006P 型(9Vの角型の電池)を8本直列にして使用しています。 ただラジオを聞きながらも、どうしても電池代が気になってしまいます。

 そこでニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池を使いました。
 これらの充電できる電池の値段はマンガン電池の約 10倍ですので、 充電器の費用は別としても、20回も使えば電池代の元が取れるかな、と目論んでいました。
 ところがニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池は自己放電が多く、気の向いたときに 使う程度のラジオでは、電池のメンテナンスの時間のほうが長くかかってしまいます。 資料を調べたところニッケル・カドミウム電池では、 1か月に 25% 程度の自己放電があるようです。

 そんなわけで、最近はマンガン電池を見直しています。 結局私のような使用状況では、電池は1年以上交換の必要はなかったのです。


ポータブルの電池はどのくらい持つのか

テストしてみました。

試験機 4球ポータブル・キット・完成品
電池管 1R5、1U4、1U5、3Q4 NEC 製

B電池 #1  006P マンガン乾電池 6F22 (UB)/9V 東芝 KINGPOWER Black 中国製 x8個
B電池 #2  ニッケル・カドミウム電池 三洋 21.6V x3 (1.2V x54) 150mAh

A電池 #3  単1形 マンガン乾電池 日立マクセル Super POWER ACE RED R20P (AR)E/1.5V 日本製
A電池 #4  ニッケル・カドミウム電池 ノーブランド 1.2V 4,000mAh
A電池 #5  単1形 アルカリ乾電池 富士通 LR20 (C)/1.5V 日本製

 B電池 #1  006P マンガン乾電池 x8個 連続使用の結果が上のグラフです。
B電圧が徐々に下がっていく過程で、 67時間後の 35V ではボリュームを上げてやれば大きな音が出せます。
78時間後の 30V では、やっと聞こえる程度、80時間後の 28V では音を聞き取るのが困難です。
 グラフにこぶができている理由は、朝陽が電池にあたったために電池電圧が一時的に 上昇したためです。 (2月の暖房していない室内で計測) ここでは、35V をB電池の寿命と判断することにします。

 乾電池の間歇(かんけつ)使用の場合は、昔から連続使用の場合の3倍以上の寿命があると 言われていますので、
 67 時間 x 3 = 201 時間以上
の寿命が見込まれます。 仮に毎日1時間ずつ、ラジオをつけたとすれば7ヶ月近く使用できる計算になります。 これは、B電池の寿命としては十分満足できるものです。 アルカリ乾電池を使用すれば、さらに数倍の寿命が期待できます。

 B電池 #2  ニッケル・カドミウム電池は15時間程度の連続使用に適しています。
 この実験で使用した 1R5 は、フィラメント電圧が0.988Vまで下がると、 発振が停止してしまいましたので、この電圧まで下がったら電池の寿命であると判断しました。

   A電池 #3  の安いマンガン電池では 13時間、 A電池 #5  のアルカリ電池では、38時間連続使用ができました。 実際の間歇使用では3倍以上の寿命があるとしても、アルカリ電池が良さそうです。

 A電池 #4  のニッケル・カドミウム電池は 17時間連続使用が可能で、 B電池にニッケル・カドミウム電池を使用した時にちょうど良い組み合わせです。
(2003年2月15日追加)
(2001年3月16日初稿)
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